古代ギリシャの哲学者の名が付いた、神聖幾何学のプラトン立体。構成する面の大きさ、辺の長さ、内角においてすべて等しい立体はこの世界で5つだけ。この5つの正多面体は、生命の根源である五大元素(地・水・火・風・空)と共鳴すると言われ、それぞれの立体に意識をチューニングすれば、チャクラを整え、心身の調和を図ることも可能かもしれません。
目次
正6面体(地)
正20面体(水)
正4面体(火)
正8面体(風)
正12面体(空)
五つのプラトン立体と五大元素
五つの正多面体は古代ギリシャで発見され「宇宙の原子(atoms of the Universe)」と信じられていました。この正多面体に重要性を見出したのがプラトンなので、プラトン立体と呼ばれています。
プラトンが4つの正多面体を地・水・火・風の四大元素と、のちにアリストテレスが5つめを天体を構成する元素、エーテル(空)と関連付けました。
正6面体(Hexahedron) ― 地
正20面体(Icosahedron) ― 水
正4面体(Tetrahedron) ― 火
正8面体(Octahedron) ― 風
正12面体(Dodecahedron)― 空
アリストテレスは、「四元素からなる地上は時間とともに変化・腐敗するが、第五元素から成る天上界は不変である」とし、宇宙創造の原物質であるプリマ・マテリア(第一質料)を第五元素と同一視したそうです。(出典:Wikipedia『四元素』)
変化し朽ちていく肉体を構成する四元素(地・水・火・風)と、永遠に進化していく意識体の第五元素(空)ですね。五大元素とチャクラの記事でご紹介した性質とも共通しています。
関連記事:『五大元素とつながる―地の第1チャクラ』
六つ目の球体
ドイツの天文学者ケプラーは、この5つの正多面体を球体に入れたときに、すべての頂点となる角が球体の表面に接することを発見したそうです。これもプラトン立体だけに見られる特徴です。
『フラワー・オブ・ライフ ― 古代神聖幾何学の秘密(第1巻)』の著者ドランヴァロ・メルキゼデク氏は、この5つの正多面体に、すべての始まりである球(無)を合わせた6つが私たちのなかに存在していると言います。
この図では、
左側の正四面体(火)と正六面体(土)は意識の男性的要素を表す左脳、
右側の正十二面体(空)と正二十面体(水)は意識の女性的要素を表す右脳、
中央の球(無)と正八面体(風)は子供とありますが、男性的要素と女性的要素を融合させた創造のプロセスの始まりを表す右脳と左脳をつなぐ脳梁、となります。
角張っているのが男性的要素で、丸みを帯びているのが女性的要素なんですね。
この6つが宇宙を作る要素であり、すべて揃った状態、つまり左脳と右脳が統合され、五大元素が整っているときが調和を表すと考えてみてください。どれかひとつでも図形に歪みが生じたとき、左脳と右脳、そして全体のバランスも崩れる。人間だけではなく、あらゆる万物もこの仕組みと考えられています。古代の叡智は完璧ですね。
正多面体の性質
プラトン立体それぞれの性質を見ていきましょう。
正6面体(地)
構成:6つの正方形の面
状態:基礎を表す固体
もたらす性質・機能:
・地に足を着ける(グラウンディング)
・地球と自然のエナジーにつながる
・創造性・安定性・安心感の基盤
・宇宙エナジーを受け取る基礎を築く
・緊張や身体的ストレスを和らげる
正20面体(水)
構成:20個の三角形の面
状態:感情を表す液体
もたらす性質・機能:
・抱いた感情を理解・対処する
・感情的なブロックを取り除く
・新しい生き方を学び変容する
・流れに乗る、順応する
・豊かさを招き入れる
・セクシュアリティのバランス
正4面体(火)
構成:4つの三角形の面
状態:内なる輝きを表すプラズマ
もたらす性質・機能:
・やる気や人生への熱意を育む
・不要なものを破壊して変容させる
・物事を熟成させ完成させる
・人生に変化をもたらすのを助ける
・真相を明らかにする
正8面体(風)
構成:8つの正三角形の面
状態:メンタルプロセスを表す気体
もたらす性質・機能:
・肉体と精神の統合
・自他への愛、思いやり
・ハートからの真実の言葉
・内観を助け、波動を上げる
・「内の如く、外もまた然り」
ギザのピラミッドは、正四面体ではなく正八面体だという説があります。ご興味のある方は『藍の書』辻麻里子著をお読みください。
正12面体(空)
構成:12の五角形の面
状態:宇宙、すべてなるものとのつながり
もたらす性質・機能:
・自分の魂、高次の自己とつながる
・「上の如く、下もまた然り」
・自分や周囲の波動を上げる
・次元上昇、一体性、全体性
・自他との平和的関係
正12面体は非常に高い周波数を持っていると言われ、空間の波動調整にもオススメな立体です。
この12の面は黄道十二宮に対応し、五角形は、宇宙に五大元素すべてのフォースが存在することを表しています。
頂点を結んでいくと五芒星ができるのですが、五芒星は、完全性や進化を続ける連続性・永遠性を表すといわれています。
驚くべきは、宇宙は無限ではなく有限であり、12の五角形からなる正12面体でできていることを示唆する研究結果が2003年に発表されていたこと。
(写真と参考記事:"Is the universe a dodecahedron?")
これが本当だとしたら、プラトンもアリストテレスもケプラーも、宇宙の正体を見抜いていたことになります。
正多面体でチャクラを整える
正多面体は、五大元素と、そしてそれに対応する第1~第5チャクラと共鳴します。
正 6面体は、地の第1チャクラ
正20面体は、水の第2チャクラ
正 4面体は、火の第3チャクラ
正 8面体は、風の第4チャクラ
正12面体は、空の第5チャクラ
正12面体は、第5チャクラより上の第6・第7以上のチャクラとも共鳴するという説もあります。
正多面体を実際に作ったり、3Dのそれをイメージしたりしてそこに意識を合わせればチャクラが整うこともあります。もしくは、今向き合うべき課題が顕在意識に浮き上がってくるなど、ヒントをもらえることも。
正多面体はエナジーを動かすことによって機能すると考えられています。右回り(時計回り)に回転させると下降してエナジーが減少し、左回り(反時計回り)に回転させると上昇してエナジーが増加します。回転する角度と速度を変更すると、新しい意識の座標が作成されるといわれています。
対応する正多面体を、チャクラのエナジーや五大元素のエレメントが過剰なときは右回りに、欠乏しているときは左回りに回転させます。立体を360度外側から見るだけではなく内側に自分を置いてみたりして、その性質に意識を合わせてみましょう。
回転図形:Wikipedia『正多面体』
すべてを包含するメタトロンキューブ
大天使メタトロンにちなんで名付けられたメタトロンキューブ。
この図形には、5つすべての正多面体が含まれています。
これを見るだけで、チャクラの状態だけではなく、陰陽のバランスも整うとも言われています。女性的要素である円や曲線、男性的要素である角度や直線が融合されているからでしょう。宇宙の調和を表す六芒星も、完全性を表す五芒星も含まれています。
すべてをメタトロンキューブの中に立体的にイメージするのは難しいので、慣れるまではプラトン立体をひとつひとつイメージしていくほうがチャクラには効果がありそうな気もします。
正多面体はすべてを構成し統合する
プラトンが正多面体の重要性を発見する以前より、自然界には5つすべての正多面体が存在してきました。人体だけではなく、ウイルス、生物、植物、鉱物、音、音楽、言語、DNA、惑星、星、銀河、宇宙など、あらゆるすべてを構成しています。
隠された秩序が宇宙のすべての側面を統合するという考えがベースにある神聖幾何学は、光の言語とも称されています。
波動が共鳴し、歪みや不調和を正して本来の形に戻すという意味ではまさに万物共通の「光の言語」。私たちは、想像よりもはるかに幾何学的で秩序だった世界に生きているのかもしれません。
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